どこでもない場所 セルフライナーノート 【鍵盤編】
さっきさあ、
mosimoの前回のイベントのとき、
フライヤーって何部発注したかな、と思って過去のメール見てて
えーと、2011年?
いやいや、2012年じゃね? 今年じゃね?

そう思ったら、わたし、
今年が終わる前に伝えることがあるよね、と思って。

冬が、全ての記憶を覆い尽くす前に
"どこでもない場所"セルフライナーノート鍵盤編
お届けすることに決めました。


【旅の途中】
未明の歩みリリースから、3ヶ月後にはmosimo#2の準備や構想に入りました。
3月にレコーディング、
ミックスマスタリングや、諸々の作業って
アレだね、これ全部田村さんがやってくれたんだけど

田村さんを馬車馬のように働かせている中、
「ここを逃したらいつドラム録りができるかわからない」という日が浮上
奇跡的に、音響の田村さんと、ドラムの中山の休みが合う日。

レコーディングをしよう、と決めました。
今を形にしたい、と思ったし
まだやり損ねたことがある気がしてた。


【未明の果て】
未明の歩みリリースライブから、ベースを杉山にお願いしました。
どこでもない場所に関しては、
杉山が入ったことが全てだったと思う。ある意味。
わたしの「バンドでの曲作り」の根底にいる人だから。
すごい相性良い相手だったことを思い出して。
似たタイプのプレイヤーなんだよね。
とにかくわたしは、策を凝らさなかった。自由だった。
アレンジというアレンジをしなかった。
未明の歩みのときに居た悪夢は、とっくに全部倒さてれてた。これは、新しい場所のはなし。


【青の線路】
曲順を決めるにあたって、みおりもわたしも1曲目に選んでた。
この曲そのものが、未明の歩みを作り上げた、わたしのひとつめの挑戦、
物語の幕開けに相応しいと思って。

レコーディングのときも、確か1曲目に選んだ。
そして、音盛ったよねえええええ
この曲の鍵盤は、ギターの藤岡が録ってくれたんだけど
「これ入れようかなと思ってんだけど」「いいじゃん入れようよ!」
の、連続だった。
ミックスのときも「あの鍵盤居過ぎじゃないスか?」「いやいや全然」て言われて
これ、最多で4本?もしかしたら5本くらい弾いてる。特盛りの1曲。

実はこれも、なっちゃんの絵を見て描いたんだよねー。
海の中でね、傘をさしてる人が、水面を眺めている絵。


【黙示録】
作詞作曲がギターの人です。
「これCDに入れたい?」て聞いたら、「もちろん」て言われたので入れることにしました。

これはすごい、良い意味で勢いで弾いた。
二度と弾けない手がたくさんある。
ある意味、ライブではちょっと未完成で、
もっと手がたくさんあったらよかったのに
ていうのを、全部弾いた。
野生のまつながを野に放つとこういう感じ。
最高に自由なクラビとオルガンでした。
この曲だけ、100%舵を藤岡に預けてる。


【かくれんぼ】
いつものわたしたちを残そう、という選曲でした。
この曲だけクリックを聞かず、好き勝手なテンポで
みおりとわたしは同時に録音しています。

CDって、ライブとは全く別次元の作品と思って作ってるんだけど
ライブのわたしたちも美しいと信じている。
それを、最高にきれいな形に残そう、と思って

昔、秋星と3人ではらぺこをやってたんだけど
あのときのことを思って、とかはカケラも思ってなかった。
秋星が鳴らす音を見て、思い出した。
ずっとそばにいてくれてありがとう。
かくれんぼ、このアレンジに関しては、君がいて完成です。

秋星のレコーディングが本当に美しかった。びっくりした。
みんなにも見て欲しかった、と思うけど
見られてたら笑い出してたでしょうね。
でもほんとうに、そう思うくらい、きれいな音を出す人だなあ、って。
頼りになるなあと思って見てたよ。


【ひなた】
個人的に、原点回帰の1曲。
いっちばん得意なコード進行で曲書いた。

そのくせに難産だったんだよなああああ
中々好きになれなかったし、うまく弾けなかった。

どこでもない場所、全てに於いて
「メインのフレーズ以外に弾いてる鍵盤」がすごく気に入ってるんだけど
それが顕著な曲。
オルガンもエレピも本当に美しいと思う。


【脱獄ラプンツェル】
この曲を世に送り出せてよかった。
前回諦めた1曲、ていうのもあるんだけど
「脱獄ラプンツェル」ていう言葉そのものは、高校生のときのわたしが作ったもので
別に歌詞でもなんでもない、言葉それだけだったんだけど。
曲にして、それもバンドで演奏して、CDになって本当によかった。

これは歌詞すごい悩んだな。
言いたいことはわかってんのに
どうやってそこに導けばいいんだろう

わたしは、あなたに物語を伝えるストーリーテラーでありながら、
"ラプンツェル"そのものだった。今も

この曲こそ、アレンジも何もなかったんだけど
単純な曲だから、鍵盤には色々仕掛けがあって
バンドメンバーには何も説明しなかったんだけど、よく汲んでくれてる。
完成形を聞いてびっくりした。
本当に大事にしてもらってたんだなあ。よく聞いてくれてたんだねありがとう。


【side-B】
今でもなんでこんな曲が書けたのかわからない。
わたし、何になりたかったんだろうね?
あ、このときはRadioheadだった気がする……
コード進行は、山野隆直さんの「so alone」のパクリ

何の説明もなく、バンドのみんなが弾いてくれて助かったし、
たしのかったよね。
こういう景色が見たかったんじゃない?


【春霞】
このCDに収録されてる、
「脱獄ラプンツェル」がいちばん昔の発想
「かくれんぼ」がこの中では1番最初に作った曲
ならば、これは、
わたしが1番弾いてるアルペジオ。

かつて、たったひとりのボーカルために作ったアルペジオでした。
どうしても捨てられなくて

歌詞は、あのバンドと、その人のことを思って
本当にそれだけです。
これがわたしの全ての答え。

未明の歩みのとき、re;windの大サビがベストテイクって言ったけど
今回はこの曲の大サビ。
弾き終わった後、全然息ができなかった。これが、わたしの渾身の一撃。

今なら、君の言いたかったことも、わかる気がするんだ。


【音のメモ】
使用した楽器は、前回同様Nord Electro2
鍵盤は1台のみ!男らしく!
鍵盤以外では、春霞の鉄琴だけわたし。SONARの鉄琴。秋星私物

ピアノの音色は、ライブ時のまま
4色使い分けてます。
ピアノは、青の線路とかくれんぼが同じ音色です。
未明の歩みのときに使ってたピアノと同じものは、ひなたで弾いてる。
気が向いたらちょっとずつ変えてるから、全く一緒ではないけど
格好良いなあ、と思うエレピの音は、全部"序章"のために作ったアレだと思う。

前回はあれこれケーブルを選んだりしましたが、ギタリスト私物のコチラを使用。
Honda Sound Works Love Cable Type A
やっぱこれが1番よかった。音がとにかく早い。近い!
たぶん、脱獄だけ倍音が少ないマッチョケーブル、BELDEN8412を使用。
かくれんぼは、providenceだった気もする……

プリアンプは豪華に、
Golden Age Pre-73 MKIIを使わせてもらいました。
こいつの存在で本当に音にパンチ出た。
良い意味で丸裸にされたと思ってる。音に関して隠し事なんかできないし、逃げる場所もない。


マスタリングは前回同様、
Abbey Road Studios, London
に投げたぜ!
レジェンドが担当してくれました。
中々手強かったね……
このへんは、田村さんか藤岡さん頼む……



【絶対に忘れない】
最後に、どこでもない場所リリースにあたって、
CDには名前載せなかったけど
いやもうなんでこの人たち載せなかったの!!?
くらい、個人的にお世話になった人の名前を載せます。

いやもう、ほんとうに苦しかった
今回はリリースできないんじゃないかと、おも、ってさああああああ
泣きそうな毎日を支えてくれたみなさま、ありがとうございました!

WESTVOX、西さん、古屋さん。
MORiNO RECORDs、WEB担当 ちはる。
カールモール、マダム。
レトロリブラ、松下さん。

みんな「なにもしてないよ」て言うと思うんだけど、
全員わたしの泣き言を聞いているはずだ!笑
みんなの存在と言葉に支えられて、リリースまで、
そして今日も歩めています。本当にありがとうございました。



【どこでもない場所】
7つの物語を集めて、順番に並べて
青から旅立ち、遥かへと帰着するこの物語に
「どこでもない場所」と名付けました。

元々そういうコンセプトでね、ていう話を
拙い言葉で、なっちゃんに伝えたら、ものすごくわかってくれて
そのことに安心したのを、覚えてる。
あれ以上の言葉を、今日も持ってないから、説明できないけど

明日は見えたかな?
失ったり手に入れたりした?
ずっとここにはいられないのは、わかってるんだけど

この物語を、あなたに伝えられて
本当に嬉しいです。

鍵盤屋として、
何にも手は抜きませんでした。
信頼するメンバーと、大事な人に支えられて作った
本当に大切な1枚です。
あなたの隣に置いて


2012/12/1 鍵盤/松永
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